人馬一体 第三歩へ
あなたはいつ、どのタイミングでコーナーの具体的操作を脳内で整え ていますか?
もともと、サーキットランの操作は走る前から全ておおよそ決まって いる。
1コーナーの形状が急に2LAP目に変わることなどないのだから。
そう、全ての具体的操作は走る前から決まっている。
なのに・・・。アマチュアがやってしまうこと。
ひょっとして、あなたはそのコーナーの直前に具体的 操作を考えていませんか?
そういう状況では脳に考える時間を与えなくなってしまい、そして起 きてしまった事に反射していくことに追われ・・・脳内はパニック状態に・・・。
これが、負のスパイラル!
パニックは現在起きた状況やそこに至った操作ディテールを脳内に残しづらくしてしまうのです。脳内PCはメモリー容量一杯!!
では、どうすればいいか?
「脳に考える時間をたっぷり与えてあげる」のです。
簡単に言えば、次のコーナーの具体的操作は前のコーナーの脱出時に完全にイメージとして出来上がっていること。
コーナー進入では充分に左脳で考えた操作に従い、その時に起きた 「想定内」のズレに対し右脳で処理していくのです。
脱出に向けステアリングを戻していく、MAX回転まで上がったらシフトアップ。などと考えて操作するようではダメなのです。
これには視点が決定的に重要な要素となります。全ては視点誘導。 「先を見る」ことが「先を考える」に繋がります。
では、連続するコーナーはどうすればいいの?考える時間がないよね!?
連続するコーナーは「1つのコーナー」として考えます。1つ前のコーナーの脱出が進入になるのだか ら・・・。
我々、レーシングドライバーは予選時のタイムアタックに入る前に パーフェクトに、その1LAPの具体的操作「どこで、どのように、なにをするか」を恐ろしく詳細に渡り脳内でイメージできています。
その中で起きる実際とのズレはあくまで「想定内」。
これが「想定外」であってはならず、その想定内にしていくためのマシンセッティングを進めていくのです。
「人馬一体」のキーワード。
「レスストレス」・「想定内」・「いつ考える」
ご理解頂けたでしょうか?
最後に。
この想定内には自分のスキルも関係していくことを忘れないで下さ い。
あなたは正確にカウンターステアを当てられますか?
大きな駐車場でリヤ駆動のクルマに乗り、1速で定常円旋回しながら滑るリヤタイヤをスロットルとカウンターステアでコントロールできますか?
もし、出来ないとすれば、あなたは2速、3速、4速などの領域でカウンターステアを当てられません。
25m泳げない人は50mも100mも勿論、泳げません。それと同じです。
アマチュアで一般的に正確なカウンターステアなど、なかなか当てられるものではありませんよね。
だったら、それが起きない想定内にしておけば、何も問題ありませんよね!
そこにいつも言う「走行記憶」が重要になってくるのです。走行記憶なくして想定内もありえません。
その走行記憶から大きく逸脱しなければ、その人なりの「想定内」でいられるはず。
「再現性あるドライビング」から逸脱しないこと。
「ドライビングプレジャー」は決して限界特性で走れる人だけの特権ではありません。
想定内に操ることでどんなドライバーでも「ドライビングプレジャー」を感じることが出来ます。
これこそ、「人馬一体・なだらかで巧みな連携」」のスタートラインではないでしょうか。
ドライビングは脳が90%。
目からの情報(認知・判断)→考え→予測し→操る(行動)。これ全てを記憶していく・・・。
これ、全て脳内の話です。
反射神経や運動神経の話しではありません。
必ずみんなが出来ます!「人馬一体」。