「人馬一体」と辞書で引くと、「乗馬において乗り手(騎手)と馬が一つになったかのように、なだらかで巧みな連携が行われること。
とある。
「馬とクルマ」
「騎手とドライバー」
相通じる「人馬一体」
こんな四文字熟語から今回のコラムを紐解いていきましょう。
では、「なだらかで巧みな連携が行われるようにする」にはどうしたらよいのだろう。
もともと、人は走るだけの能力しか持ち合わせかなった。
槍を持ち、火をおこし、様々な道具を使うことによって「人体拡張機能」を手にしていく。
馬に乗り、自転車に乗り、バイクにまたがり・・・クルマに乗る。
さて、初めて自転車に乗った日の事を皆さんは覚えていますか?
サドルから地上までの高さはその時どうでしたか?
そんな簡単な着眼が答えかもしれません。
足が届かないものと自分がどう操れるのか分からない不確定要素が相まってとてもストレスを感じたのではないでしょうか?
最近のジョギングブームはお金のかからない不景気風が起こしたブームとも言われています。
ジョギングシューズに僅かな小さな小さな小石が入ってた経験。誰でもがあるでしょう。
そのストレスったらない!!!!
気になって気になって・・・。
その小石を取り除くことから始めなくてはいけません。
スクーバダイビング経験がある人ならわかるでしょう。
ゴーグルのベルトがキツイ・・・。
マウスピースが自分の口と合わない・・・。
BCジャケットが身体にフィットしてない・・・。
海の景色を楽しみたいけど・・・そう、その前に!!そのストレスをなくすこと。
水中環境に何一つ気を使わずに入れる事が理想です。
そう「ストレスと取り除くこと」
これこそ「人馬一体」になるためのまず第一歩です。
クルマで言うなら、まずはポジション。
馬なら鞍の位置なのでしょうか。
ペダルまでの距離、近すぎず、遠すぎず。膝をリラックスした自然な状態でその足元にペダルがある。
ブレーキを強く踏んでも、クラッチを切っても、決して伸びきらない。
近すぎる例では、アクセルからブレーキへの踏み変え時に膝がステアリングシャフトカバーに当たる。
ヒール&トゥをやろうとすると、足がつりそうになるくらい捻らねばならない・・・汗
ステアリングも同様、近すぎず、遠すぎず。
ステアリング角度も重要でしょう。
昔の欧州車は実は個人的には一体感がとても出しにくかった記憶があります。
欧州車は欧米人の体格に合わせているため、標準的日本人体型の自分には「シックリ」こなかったのです。
今では、ステアリングチルトはじめとする、様々な調整機能が装着されて、たいがいの体型にフィットさせることができます。
その最適ポジションを合わせた上でステアリングから自分の身体までの距離が開いていればいるほど、事故時の「生存空間」「サバイバルスペース」が確保される事も付け加えておきましょう。
いわゆる「オバちゃんポジション」も実はかなり危険なのです。
もう一つ重要なのがシートですよね。
身体をホールドし、包み込むようなシート。全身の力を抜いた時に寝れそうなくらい!?がいいでしょう。
それだけ、ホールドされているという事です。
多くの身体面積をクルマと接地させる事によりインフォメーションが得られやすくなります。
また、サーキットランにおいてはGフォースを支えてくれます。
ミラーの位置。できるだけ体や首を動かすことなく、そのミラーは見れますか?後方視界が見えづらいこともストレスになります。
そして最後に計器類の確認です。重要な情報を素早く目で確認しなくてはなりません。その位置でOKですか!??
ここまで整ったところで・・・
さぁ、そこから始めましょう!
「人馬一体」第二歩へ続く・・・。