場所 筑波1000
教習車両 BRZ
協賛/協力 出光興産、富士重工業、ブリヂストン、BOSCH他
6月23日(土)Tetsuya Ota ENJOY&SAFETY DRIVING LESSON with SUBARU supported by 出光を開催しました。
今回はホリデーオートと共同開催の上に、スバルBRZオーナーの方の体験入学もあって、参加人数は約60人。開催場所は筑波サーキット・コース1000です。
今回は講師の太田哲也校長をはじめ、元レーシングドライバーにしてジャーナリストの中谷明彦氏、現役ラリードライバーの新井敏弘選手、吉田寿博選手が駆けつけてくれました。また、前回に引き続きモータージャーナリストの斉藤慎輔氏にもご参加いただきました。
トークショーの司会、スパタイの実況にはまるも亜希子さんが。さらにお馴染みレースクイーン藤崎理香さんもいます。
受付開始時間は7時30分。いつもより早い時間帯からの開催でしたが、受付30分前にはもう参加者がズラリと。8時から座学会というタイトなスケジュールでしたが、みなさんヤル気満々。ほとんどの参加者が8時前には座学会場で待っていました。
座学のスタートはこれ。
「モータースポーツの世界へようこそ!」 by太田校長
初めてこのレッスンに来られた方、そしてサーキット未経験の方などに、この言葉をかけるのは太田校長の信念です。
今回も半数以上がまだサーキットやレースを体験したことのない方でした。
そうした参加者のために、太田校長は自らの過去の体験談を交えながら、こんなことを言います。
・感覚派よりも理論派ドライバーであれ。
・安全マージンを削っても、タイムは削れない。危険なだけだ。
・運転が上手くなれば、速く、そして安全になる。
座学は、上記のような概念を太田校長がひと通り説明した後、
・中谷明彦さんによる基本講座へ
さすが理工学系出身の中谷さん。難しい物理学用語が飛び出しながら、でもわかりやすく説明してくれました。
・その後、再び太田校長による実践講座へとうつります。
今回の教習車や試乗車がBRZ。また現オーナーの方や、納車待ちのオーナー予備軍の方が多数いらっしゃいました。BRZのウリのひとつはボクサーエンジン+FRによる優れた重量配分。だからこの日は、特に荷重移動とか、走っているときのバランスに注目する、というような話がたくさん出ました。
続いて上記講師陣と、スバル広報部の大村さん、ホリデーオートの加藤さんによるスバルBRZをテーマとしたトークショーへ。
皆それぞれの視点からBRZの魅力、スポーツカーとしての資質を語り合いました。「レベルの違う低重心」とは、吉田選手の言葉です。
スバルによると発売から5ヶ月で目標販売台数の10倍以上に相当する5000台以上が契約されたといいます。驚くのはその6割がMTを選んでいるとか。スポーツカー不況が叫ばれる昨今、とてもうれしいことですね。
座学、トークショーが終わると、全員が場所をコース1000のパドックに移動して、いよいよ走行準備に入ります。
メカニックによるメンテナンス講座もおこなわれました。初めて走る方のために、テーピングの仕方、ゼッケンの貼り方、出走前の車両チェックなど、わかりやすく説明してくれます。
意気揚々と準備を終え、いよいよ走行へ…。
の、前にちょっぴりクールダウン。パドックに用意された特設テントでランチです。今回はお弁当。ホリデーオートのトークショーを聞きながらの、少し早めのランチとなりました。
では、いよいよ走行に入ります。
講師、インストラクターが先頭を走る先導走行では、完熟走行の意味があってしっかりとコースを覚えられます。
続いてプロの走りを実際に体験できる同乗走行。
「ハンドルの手さばきとか、ペダル操作とかに、つい目がいっちゃうと思う。だけど今日はそれ、どうでもいいことにしよう。それよりもみんなに見て欲しいのはライン取り。プロがどんなラインを通るか見て欲しい。それをマネすれば必然的にプロの走り方に近づくはず」by 太田校長
その言葉を踏まえて、短い時間でしたが参加者は真剣に吸収しようとしていました。ちなみに今回は教習車が2ドアクーペのBRZのため、同乗するのは助手席にひとりずつ。そのため講師陣は全員が走りっぱなしです。暑いなか、講師陣はタイヘンそうでしたが、ずっと全開走行!で教え続けてくれました。参加者によって、マンツーマンで走りを教えてもらえるのはとても贅沢ですね!
そして、参加者が複数のグループに分かれたフリー走行。
最初はおっかなびっくりだった参加者も、周回を重ねるに連れて次第に速くなっていくのがわかります。この日はとても暑い1日だったため、熱によってタイヤやエンジンの状態が変化することも体感したのではないか、と思います。
かといって無謀な運転や、事故がなかったのは素晴らしいことだと思います。みなさん、このレッスンの意味を理解して頂いていたようです。
こうしたドライビングレッスンが終了!
いよいよ「スパタイGP」の開催です。
排気量別に2つのクラスに分かれて、いざ走行へ。
今日学んだことをすべて活かしたようなタイムアタック。筑波コース1000はピットの上やパドック脇の土手からコース全体が見渡せるので、スパタイGPに参加しなかった参加者も、みなさん応援しています。
もちろん実況中継ありで、大いに盛り上がりました。
そしてスパタイGP・SS(スペシャルステージ)へ。
ST2000クラスから上位5名、ST3000クラスからは上位3名による、この日最後のタイムアタックです。
テクニカルなミニサーキット、筑波コース1000のレイアウトのせいなのか、この日はST2000もST3000もタイムはほぼ変わらず。誰が一番速いのか、まったく分からない状況になってきました。
そして結果は……。
スパタイも無事終わり撤収へ…。
と思いきや、講師陣による(大人げない)デモラン、というか模擬レースが、突然始まったのです。
5台のBRZに、それも全員がプロドライバーが乗って闘う。こんな光景はなかなか見られるもんじゃありません。会場全体が大いに盛り上がりました。
たった3周の闘いだったんですが、ずっとテール・トゥ・ノーズの闘いが続き、どうにか太田校長が1位でゴールイン。意のままにドライブできるからなのか、ATよりMTのほうがコースでは速そうでした。
走行が終わり、パドック特設テントで表彰式・終了式へと移ります。
そして、講師陣と審査委員の協議により決められる、MVP POTENZA賞の発表です。
今回はマツダスピード・アテンザに乗る堤さんに授与!
「いつも自分なりにテーマを決めて走りを研究していました。それが形となり成果が現れています」とは、斉藤慎輔氏のコメントでした。
最後は恒例の「リ・スタート」の大合唱!
TUBEのボーカリスト前田亘輝氏が主宰し、太田哲也がレコーディングに参加した復興応援チャリティソング「RESTART」を、
参加者、スタッフ、講師陣、全員で大合唱。
クルマやモータースポーツを通して被災地に元気を与えられたら、という願いを込めて歌いました。
[参加者の声]
●感覚派と理論派の話。あれには感動した。自分は今までどう考えても“感覚派”だったように思う。理論をもっと学びたいと思った。
●最初は「BRZにちょっと乗れればいいかな」程度に思っていた。だけど、自分のクルマで走ってみるとやっぱり楽しかった。
●自分のクルマがこんなに発熱するってことを知りました。あとは今までリヤが出るとか分からなかったけれど、今回初体験。「あぁこういうことなのか」って。もっと腕とクルマを鍛えたいと思います。
●公道での交通事故の経験から、安全な運転を学びたいと思って参加しました。もし、事故に遭う前に受講していたら、その事故は起こらなかったか、もしくは被害が軽減されていたのではないかと感じました。
●新井選手の異次元の走りを間近で見られただけで大収穫。
●勝敗を抜きにして、クローズドコースを走るのは楽しい。もう60代後半だけど一生走り続ける。孫にレーシングスーツを着た私を見せたい。
●BRZは楽しいクルマでした。なんでも過剰、過激になるイマドキの新型車だけど、BRZはそういうものがない「素の魅力」があります。
●ミニバンからBRZに乗り換えて、いま納車待ちです。家族がいるのにBRZ1台で平気かなと不安もあるんですが、今日の体験でBRZを買ってよかったと改めて思いました。